説 教 レビ記18章1〜5節 ガラテヤ書3章10〜12節「十字架の福音」
ガラテヤ書講解（20） ２０１３・０４・１４（説教１３１５１４７９） ガラテヤ書の連続講解説教を始めて、今朝で20回目になりました。最初の予定ではガラ テヤ書全体を50回ほどで終えるつもりでしたが、予定より回数が多くなりそうです。それ は、皆さんがこの講解説教を主にある祈りをもって支え、真剣に御言葉を聴いて下さる賜物 です。説教者また牧師としてこれにまさる幸いはありません。しかし何より幸いなことは、 ここに私たちの生にも死にも決して変わることのない「全ての人を救う福音」が輝いている ことです。御言葉と聖霊による主イエスの現臨の救いの御業の中に、私たち皆が立たしめら れていることです。 ある意味で今朝の御言葉は、ガラテヤ書全体のひとつの山場です。特にこの3章10節か ら12節は短いところですが、私たちが注意ぶかく心をこめて聴くべき言葉です。「いったい、 律法の行いによる者は、皆のろいの許にある。『律法の書に書いてあるいっさいのことを守 らず、これを行わない者は、皆のろわれる』と書いてあるからである。そこで、律法によっ ては、神のみまえに義とされる者はひとりもいないことが、明らかである。なぜなら、『信 仰による義人は生きる』からである。律法は信仰に基づいているものではない。かえって、 『律法を行なう者は律法によって生きる』のである」。 パウロは今朝の御言葉の中に旧約聖書からの御言葉を3つ引用しています。まず10節に は申命記27章26節、次に11節にハバクク書2章4節、そして12節にレビ記18章5節の 御言葉が引用されているのです。パウロはどのような場合にも、まず御言葉を通して御言葉 を解釈しました。自分の言葉や思想ではなく、御言葉をして救いの福音そのものを語ってい るのです。とりわけ「福音と律法」の関係というような難しい問題に関して、私たちの思い こみや知恵ではなく、御言葉それ自体がパウロの信仰と生活活きた唯一の基準であり、今朝 の御言葉においてもその姿勢は微塵も揺らぐことはありません。 「福音と律法」の関係、それは「キリストと律法」の関係と言い換えることができます。 あるいは「新約聖書と旧約聖書」の関係ということにも繋がります。そこで「福音」という 言葉は言葉そのものとしては、新約聖書になって初めて出てきます。では旧約聖書では「福 音」をどのように現しているかと申しますと、それは「祝福」という言葉なのです。ですか らパウロがここに取りあげている音信は、旧約で言うなら「祝福」であり、新約で言うなら 「福音」である。このひとつの線と「律法」との関係は何であるかということが大切です。 その場合パウロは、この問題をある重要な角度から光を当てています。それは「律法」は人 間に「のろい」を下すものだということです。ですから「律法」と「福音」との関係は�